kuruminoani

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勝ち取れ

私はこの時期、受験を経験した。父は働いておらず、家計は決して豊かではなかった。だから私にとって進学の選択肢は多くなく、地元の国立大学に進むことが事実上の唯一の道だった。試験は二日間に及んだ。しかし、その初日――数学のテストで私は大きくつまず...
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荒ぶる波に、祈る

私は、躁うつ病を抱えて生きている。健康な人よりも、感情の制御がうまくできない。若いころの私は、会社でもめ事をたくさん起こしてきた。当時は、すべて自分が正しいと思っていた。自分の仕事にも、自分の言葉にも、強い誇りを持っていた。けれど、会社員を...
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月夜に、ほどける

私たちは、これまでどれだけの涙を流してきただろう。それはきっと、心が裸になる夜に多い。どんなに苦しくても、どんなに暗くても、どんなに打ちのめされても、それでも私たちは、何度も立ち上がってきた。だから、今ここにいる。四苦八苦という言葉があるよ...
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渓谷の、誓い

私は、いつも孤独だった。職場には、嫌でも人との付き合いがある。週末にゴルフへ行くほど仲の良い職場もあれば、飲み会すらない会社もあった。けれど、土日は違う。意識して予定を入れないかぎり、何も起こらない。友人のいない私には、声はかからなかった。...
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清き、祈り

私は毎日、「病気がよくなりますように」と祈っている。けれど、現実はそんなに単純ではない。祈ったからといって、翌朝すべてが良くなっているわけではない。症状は相変わらず波打ち、良い日もあれば、どうしようもなく重い日もある。私はクリスチャンだから...
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水中の誓い

私は昔から、気が弱かった。当然、学校の中での力関係も弱い側だった。「親友」と呼べる友人に出会った記憶も、ほとんどない。あったとしても、それはたいてい、お互いが「のけもの」として扱われていた者どうしの関係だった。けれど、だからこそ思う。「のけ...
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いのち煌めく、それは再生のカタチ。

蝶は、不思議な生き物だ。幼虫のあいだは青虫として、植物の葉を食べる、いわば“やっかいもの”の存在だ。人の目には、美しくもなく、役に立っているようにも見えない。けれど、ひとたび羽化して蝶になると、今度は花の蜜を吸い、受粉を助ける。そうして、静...
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希みの砂時計

20年以上の長いあいだ、私の目の前にはいつも不安と、葛藤と、孤独があった。病気が軽くなり、働けるようになったと思うと、すぐに次の症状がやってくる。結局、ひとつの会社に長く勤めることはできなかった。仕事をするために、土日は眠って回復にあてる。...
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寄り添う、ふたり

私は中高一貫の男子校に通っていた。帰宅部で、放課後はゲームばかり。友人も少なく、女の子の友達などいなかった。今思えば、大学時代からすでに「うつ」だったのだと思う。父は精神疾患で仕事に行けず、家の中は常に重苦しかった。家に帰ると酒乱の父が待っ...
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明日へ、向かう。

病気を抱える者として、特に夜は不安と孤独に苛まれる。昼間はなんとかやり過ごせても、夜になると、思考は内側に沈み、過去や不安、取り戻せない時間や、まだ見えない未来が一気に押し寄せてくる。静けさの中で、かえって心は騒がしくなる。それでも、ひとり...