「命の渦に導かれ、私は目覚める」

生命の循環

この作品に描かれている少女は、渦を恐れていない。

それは、この渦が破壊の象徴ではないからだ。
この渦は、DNAの二重らせん。
命が生まれ、受け継がれ、つながっていく、その流れそのものだ。

DNAは、たった四つの物質からできている、らせん階段のような構造物だ。
そしてそれは、ほとんどすべての生物の設計図でもある。
あまりにシンプルで、あまりに普遍的で、私はその構造に取りつかれた。

私は大学時代、DNAの二重らせんを初めて知ったとき、
「この世のものとは思えないほど美しい」と、心から思った。

この作品の少女は、そのときの私自身と重なっている。
世界がまだ怖くなる前の、
意味が分からなくても、ただ「美しい」と感じることができた私。

だから少女は、渦を恐れていない。
むしろ、引き寄せられている。
それは破滅への引力ではなく、生への導きだ。

私は長いあいだ、人生の迷路の中にいた。

私が中学生のころ、父が精神疾患を患った。
働かず、毎晩居酒屋に行き、トラブルを起こし、家の空気はいつも重かった。
私の青春は、ほとんど記憶に残っていない。

そのころから、私は「うつ」を抱えていたのだと思う。
「勉強さえしていれば、いい会社に入って、まっとうな人生が手に入る」
そう信じて、私は勉強以外のことを何も頑張らなかった。

でも現実は違った。
一流メーカーに就職して半年で、私は会社に行けなくなった。
上司の顔を見るのが怖くて、世界そのものが怖くなっていった。

そこから先の人生は、ずっと迷路だった。
私は迷路の出口を探すことに、心血を注いだ。
でも、いくら探しても出口は見つからなかった。

でもあるとき、私は出口を探すのをやめた。
渦に身を委ねることにした。

DNAは、太古から未来へと連綿と続く、一続きの物語だ。
そこには断絶はなく、ただ流れがある。

この渦は、過去から未来へ、
私たちを「正しい方向」へと導いてくれる流れなのだと思う。

出口は遠くにあるものではない。
外にあるものでもない。
それは、命の流れの中に身を置くという選択そのものだった。

だから私は、渦を恐れず、導かれて動き始めた。

この作品は、その瞬間の記録だ。
迷いの終わりではなく、生き直しの始まりのかたちだ。

もしいま、人生の迷路の中にいる人がいるなら、
出口を探して焦らなくてもいい。
立ち止まって、渦を見つめていい。

それが、あなた自身の命の流れとつながっていることに、
いつか気づけるかもしれないから。

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