どんなに打ちひしがれても

私の人生は、正直に言って、ぼろぼろだ。
転職は六回を数える。最後の会社も、病気の勢いのままに辞めてしまった。
そんな、どん底の中で、この作品を作った。

本来ならば、人生でいちばん華やかなはずの結婚式。
その会場から、私は走って逃げ出してきた。
ヒールの靴は、逃げる途中で脱ぎ捨てた。
まるで、追い立てられるように会社を辞めてしまった、あの時と同じように。

けれど、そんな状態の私に、誰かが手を差し伸べてくれるわけではない。
路面電車と街灯だけが、静かに、舐めるように女性を照らしている。
手を差し伸べる人はいない。
女性の表情はなく、そこにあるのは、ただ絶望感だけだ。

それでも、時の流れは待ってはくれない。
そう、自分で立ち直るしかないのだ。

それを、はっきりと意識したのが、この作品を作っている、その時間だった。

そして気づいた。
何も変わっていないように見えるこの夜の中で、変わったものが、ひとつだけあった。

それは、世界ではなく、私の向きだった。
逃げるために走ってきた足が、もう一度、立ち上がるための足に変わっていた。

だから私は、この場所に座っている。
絶望の中に閉じこもるためではなく、ここからもう一度、歩き出すために。

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