届かぬ想い

祈り

私は、常に叫んできた。
父が精神障害を発症した思春期から、そして自分自身が父と同じ障害を発症した青年期から、私はずっと、心の奥で叫び続けてきた。

それは、幸せへの羨望にも似た思いだったのかもしれない。
普通でいることへの、叶わぬ憧れだったのかもしれない。

私は、叫んできた。
しかし、その声は大量の雨音にかき消され、誰にも届かなかったように思う。
届いたとしても、きっと受け止められることはなかっただろう。

だから私は、叫ぶのをやめた。

やめたら、いつの間にか雨が止んだ。
雨後には、静かに虹がかかっていた。

わたしはその光を、そっと写真に写し留めた。
それはまるで、失われた時間を赦すような、優しい色だった。

叫びの代わりに、私はこれから、祈る。
そして、写し続ける。

タイトルとURLをコピーしました