
私たちは、これまでどれだけの涙を流してきただろう。
それはきっと、心が裸になる夜に多い。
どんなに苦しくても、
どんなに暗くても、
どんなに打ちのめされても、
それでも私たちは、何度も立ち上がってきた。
だから、今ここにいる。
四苦八苦という言葉があるように、
涙の理由は人それぞれだ。
痛みも、悲しみも、喪失も、後悔もある。
けれど、不思議なことに、
人は倒れたままではいられない。
私たちはまた息をして、また歩き出してしまう。
それは意志というより、いのちの性質なのかもしれない。
そんな私たちを支えてくれるもののひとつが、月の光だ。
月は、太陽のようにいつも同じ形をしてはいない。
満ちる夜もあれば、欠けていく夜もある。
光の見えない夜さえある。
それでも、また満月はやってくる。
月夜に、窓から差し込む光を見て、
私たちは涙を流す。
でもその光は、責めることなく、問いただすこともなく、
ただ静かに私たちを照らしている。
その光の中で、私たちはほどけていく。
固くなった心が、少しずつ緩んでいく。
私たちは弱い。
でも、立ち上がってきたという意味では、確かに強い。
だからこそ、月の光は尊い。
それは私たちを変える光ではなく、
私たちが元に戻るための光なのだと思う。
さあ、今日も泣こう。
そして、心をほどこう。
