
蝶は、不思議な生き物だ。
幼虫のあいだは青虫として、植物の葉を食べる、いわば“やっかいもの”の存在だ。人の目には、美しくもなく、役に立っているようにも見えない。
けれど、ひとたび羽化して蝶になると、今度は花の蜜を吸い、受粉を助ける。
そうして、静かに世界を豊かにしていく。
私はいま、社会にとっては青虫のような存在かもしれない。
けれど、若いころは蝶として、歯車のひとつとして、よく働き、よく舞っていた。
では私は、退化しているのだろうか。
——いや、そうではない。
私はいま、青虫として、少しずつ葉をいただきながら、羽化のときを待っているのだ。
それこそが、私の人生なのだと思う。
このブログを読んでくれているあなたも、もしかしたら、いまは青虫の時期かもしれない。
うまく飛べず、思うように進めず、自分は役に立っていないのではないか、と感じているかもしれない。
でも、青虫の時間があるからこそ、蝶は生まれる。
何もしていないように見える時間の中で、内側では、ちゃんと変化が起きている。
だから、焦らなくていい。
羽化のときは、ちゃんと来る。
そのときが来たら、共に舞おう。
空高く、風を受けて、花の蜜を吸いながら。
私たちはまた、世界のなかで、それぞれの役割を生きるのだから。
